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- 審査委員
- エヴァ・クピーク
- Ewa KUPIEC
- ポーランド
ポーランドのドゥシュニキ゠ズドルイに生まれたエヴァ・クピークは、同国のカトヴィツェで学んだ後、ワルシャワのショパンアカデミーとロンドンの英国王立音楽院で研鑽を積んだ。
1992年、ミュンヘンARD国際音楽コンクール(ピアノ・チェロデュオ部門)で優勝。
世界の主要な音楽祭で定期的に演奏しているほか、ミュンヘン・フィル、サンパウロ交、ミネソタ管、バーミンガム響、ロイヤル・ストックホルム・フィル、デンマーク・ロイヤル管、ロイヤル・フィル、ワルシャワ・フィル、ロイヤル・リバプール・フィル、メルボルン響、読響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、パリ管などの主要オーケストラと共演している。また指揮者はアンドレス・オロスコ=エストラーダ、マリン・アルソップ、ネーメ・ヤルヴィ、インゴ・メッツマッハー、シャン・ジャン、サカリ・オラモ、セミヨン・ビシュコフ、ジャンカルロ・ゲレーロ、ヘルベルト・ブロムシュテット、クシシュトフ・ペンデレツキ、ローター・ツァグロセク、ギルバート・ヴァルガ、クリストフ・ポッペン、アンドレイ・ボレイコ、マレク・ヤノフスキらと共演している。中でもポーランドの有名なマエストロ、スタニスワフ・スクロヴァチェフスキとは極めて充実した音楽的コラボレーションをすすめてきた。
またクピークは、現代音楽の熱心な解釈者である。2005年にベルリン・コンツェルトハウスでベルリン放送響とシュニトケのピアノ協奏曲第1番を1964年以来初めて演奏し、この演奏は2008年にはピアノとオーケストラのための他のシュニトケ作品とともにフェニックスからリリースされた。リサイタルや室内楽のプログラムにもたびたび現代作品を取り入れ、さまざまな作曲家が彼女に作品を捧げている。このようなコラボレーションの成果として、R.マイヤーズとA.ビバロの作品を収録したCD「Conception」が2005年にリリースされた。
2014年にはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団とともにポーランドの作曲家アンジェイ・パヌフニクのピアノ協奏曲を、cpoレーベルからリリース(2015年ICMA特別功労賞)した。またグラジナ・バチェヴィッチのピアノ五重奏曲をピアノと弦楽オーケストラのために編曲し、カペラ・ビドゴスティエンシスとともにナクソスからリリース(2015年ポーランドで権威あるフライデリック賞を受賞)した。
そのほかにも、シマノフスキの作品(ECHOクラシック 1997)、パデレフスキの作品など多数の録音がある。ソニーでは、映画「戦場のピアニスト」で知られるヴワディスワフ・シュピルマンの作品を録音している。
2007年にはヤナーチェクの独奏曲集、2010年にはショパンとシューベルトのソロ作品を収録した『Żal』をリリースした。2011年には、ドイツの放送局ドイチュランドフンクの協力のもと、コダーイとエネスクのソロ作品をリリース(ソラリス)。 2012年にはオーストラリアのABCレーベルからショパンのピアノ協奏曲とノクターン・セレクションを、2013年にはルトスワフスキのピアノ独奏のための作品を初録音(ソニー)。2014年にはヨハネス・モーザーとの共演で、ショパンのピアノとチェロのための作品(ヘンスラー)、アルミーダ四重奏団とシャルヴェンカとドヴォルザークのピアノ五重奏曲(ソラリス)を発表している。
2011年秋よりハノーファー音楽演劇大学ピアノ科教授。
2018年7月、ヨーロッパ科学芸術アカデミーの会員に選出された。
ヨーロッパ各地でマスタークラスを開催しているほか、ARD(ドイツ)、シドニー(オーストラリア)、ブゾーニ(イタリア)、ベートーヴェン(ドイツ)、マジュ・リンド(フィンランド)、PTNA(日本)、モーツァルト(中国・珠海)などの著名なコンクールの審査員も務めている。
現在はドイツ、ハノーファーに在住。